祝島へ

高速増殖炉もんじゅのナトリウム漏洩事故が起きたのは彼が中学生の時だった。

彼は中学生でありながらもんじゅの事故に大きな疑念を持ったという。

そして東海村JCO臨界事故が続く。

彼の疑念は強い不信感に変わった。

それから。

彼は弁護士になった。

神奈川県から下関市の法律事務所に就職して「上関原発・埋め立て免許判断を巡る住民訴訟」を担当することとなった。

山口県のことはまだ右も左も分からない。

さっそく上関原発建設計画の現地を視察したいとの申し出。

初対面ながら感じるものがあり自分はガイド役を引き受けた。

青年弁護士の瑞々しいVIBESにすかさず喰いついたお婆ちゃん(ex コウロギさん)(孫2人)が同行すると言ってきかない・・・・・・

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急な話しで申し訳ないが祝島のT師匠に事情説明の電話。

島民の会 代表 清水さんも対応してくれることになった。

上関町の原発関係チェックポイントを一通り回って定期船で祝島に。

なんと!T師匠も同船!T師匠直々のスペシャルガイドを受けながら濃紺の海を走る青年弁護士。

まず、海の美しさに驚く。原発建設予定地と祝島の近距離に驚く。その目の前が漁場であることに驚く。島独特の練り塀に驚く。すれ違う島の人たちが挨拶してくることに驚く・・・ 青年弁護士も静かに驚いた。

島民の会事務局で青年弁護士と清水さん会談。

青年弁護士が質問して清水さんがそれに答える形で。

祝島の反原発運動の歴史。現在の問題点。

青年弁護士の静かなトーン清水さんの朴訥なトーンが誠実という名の調和。

島の古い家屋、胡座で顔つき合わせている。

好ましき瞬間の連続。

顔合わせのつもりが清水さんはたくさん話してくれた。

しかし、これまで、来る日も来る日も来島者やメディアの対応に追われながら、何度、同じことを、繰り返し、丹念に話してきたことだろう?その労力だけでも大変なことである。

日本一くつろげる軽食喫茶「わた屋」でランチ。

予期せぬびわ茶の試飲会始まる。

島の作り手によって味が違うこと、また淹れ方によって味が違うこと。多彩なびわ茶あれこれ。

そこにT師匠登場!わざわざ時間を作ってくれここでも青年弁護士にいろいろ話しをしてくれた。

この辺から意識朦朧。

遠足感覚で興奮したのか一睡もできず4時起きだったので・・・・・・

レンタル自転車。

氏本農園の豚。

休耕地のような場所に放たれていて、傍らには祝島のミカンが袋に詰められている。

今の季節はこれを豚が食べるのだ。

豚の前で寝ているとおばちゃんが原付バイクでかっ飛んで来て目の前で急停車!

「ミカン食べなさい」

この島の人たちはどうしてこんなに与えてくれるんだろ?

いつだったか?夏に行った時、「暑いじゃろ?食べなさい」とバケツ一杯に入った氷を一つ口に入れられたこともあったな・・・(笑)

いただいた祝島ミカンがほんとに美味くてハイテンションに。

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漁師のまあちゃんは今日も海へ出ていた。

釣果を尋ねると「う~ん・・・」と言ったきり黙ってしまった。

釣り師とはそういうものだ。

そして「今日は気圧が高い」と一言残し去って行った。

Iターンの移住者たちが定期船のロープさばきや荷物の積み下ろし・運搬の作業を黙々とこなしている。

またひとつ移住者経営のカフェができるようだ。

自分が初めて来た時は自動販売機さえなかった。

朝、おばちゃんが島豆腐を抱えているのを見た。

祝島の海水をにがりにした堅い大きな手作り豆腐。

おばちゃんは二つしか持っていなかったので自分は見ているだけにした。

ルアーフィッシングを始めてから海の見方が変わった。

潮流の変化や根の様子、鳥の動き、ベイトの有無など無意識に観察している。

自転車に乗りながらもポイントをチェックしている自分がいた。

原発のことは特に書かなかった。

山口県漁協はあれから大人しくしている。

埋め立て免許の判断は来年の春。

県知事選も来るか?

自分は静かに準備を進めている。
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by antiagainstanti | 2013-12-26 21:10 | ANTI TWEET BOOK


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